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MIKASA Canoe Club updated 2023-07-05

第24回 2016 i-Cupを振り返る(Text by 高篠和憲)

 
 24回という干支で行くと二回りを数えたこの大会。毎年天気の良い特異日なのか晴れに恵まれているお蔭で、晴れ男の名前をいただきながらも前日金曜日の設営日は1日で40mmを越す大雨。しかし本番は雨も止んで太陽も顔を出し、ジンクスを取り戻せた。

 
 今大会ではスラロームゲートを前日の午後大巾にリセットし、本番は練習なしでチャレンジしてもらうという、正式レースの形をとった。また毎年レスキューでの苦労とタイムスケジュール対策として、ビギナーのスラロームレースをカットし、そのかわりにビギナーは2日目のダウンリバーのゴール付近で簡単なゲートを3本チャレンジしていただくことになった。また選手登録は昨年を12名も超える149名もあり、さらにフリースタイルでワールドカップに遠征する関東からの3選手のエントリーで、大会は大いに盛り上がった。

それでは3位まで入賞した選手を中心に2日間を振り返る。

1日目(6/18)スラローム(午前中) 

 8時から開会式スタート。まずは国体予選を兼ねているスラローム競技艇選手が男子2名、女子2名と昨年から比べると少し寂しい。自ら昨年に続いて予選優勝して岩手国体に行くぞと宣言した嶋田選手(北大)が90秒を切る86秒で、2位の同じく北大の佐橋選手に15秒差をつけて最速で1位を獲る。3位には元国体選手の神川選手(三笠)だ。なお2本ともノーペナは粂選手(北水)。
 

 女子は昨年も国体出場した富沢選手(帯蓄)が。2位にフリーチャンピオンの高久選手が1位と0.38秒の僅差でさらに2本ともノーペナ。3位に岡坂選手(帯蓄)。そのあとも男子計23名、女子9名の競技艇選手がエントリー。学生が主力の中、社会人の選手も男子3名、女子2名がエントリーして熱戦を広げた。
 

 ポリカヤック男子は16名のエントリー。旭川CCや旭医大勢が多く参加してくれたが1位は18ポイント差をつけてフリーの玉地選手がトップ。2位に旭医部長の奥村選手、3位に矢口選手(旭医)。女子は13名のエントリー。これも1位は学生を破り橋本選手(ラピッヅ)、2位は奥田選手(旭医)、3位は三笠CCの吉本選手。
 競技艇CC1は4名のエントリーで今年も見事成立。北水CC卒業の村上選手(栃木)が華麗でスピーディあふれる漕ぎで112ポイントの1位。2位は久しぶりの福島選手(ラピッヅ)。3位は伊美選手(美幌)のと社会人が独占。唯一学生参加の辻谷君(北大)は2本とも数回のロールで根性のゴール。
 





 
 OC1軽量艇は7名のエントリー。予想通り佐藤(雅)選手(三笠)が唯一2本とも不通過無しの少ないペナの150ポイントで20tの水量や本番前リセットの今年の条件をものともせずに1位。2位に木内選手と3位には佐藤(祈)選手と三笠が独占。
 ポリOC1は9名のエントリーで1位は学生の森川選手(北大)が社会人を破る。2位には南富良野の内田選手が病み上がりで足をかばいながら2本とも不通過なしで見事。3位は須美選手(三笠)。

 



 今回OC1女子が4名も揃い1位はフリーで世界に行く佐藤(未)選手(うきうき)が初めてのOCながら2本とも不通過無しの堂々の1位。2位には小さい頃からガンネルズのマスコット的だった木村選手(北大)。父より早いポイントで親父は落ち込んでいたとか。3位には盛選手(畜大)が昨年に続いて出場し2本ともゴール。

 

 



1日目(6/18)カナディアンペア(午後)
 午後1時からはペアスラローム。昨年より倍に増えてCC2は4組、OC2が15組、女子ペアが2組、計21組のエントリー。女子ペアが成立しなかったのは残念。
 CC2競技艇が4艇揃ったのは初めて10年以上前の空知川カナディアンスラロームレースに次ぐエントリーで目を楽しませてもらった。1位は1本目脱したものの145ポイントで佐橋・島田組(北大)。2位は久保選手(畜大)と往年のワールドカップ出場経験者の福永選手(ラピッヅ)が。3位は何と女子ペアで道内初めての岡坂・富沢組(帯畜)が2本目不通過無しのわずかペナ6ポイント。


 

 

 
 
 OC2の1位はフリーの高久選手とペアを組んだ佐藤(雅)が。2位にはスピードではわずか0.3秒勝っていたがペナで負けた木内と私のペア(三笠)。三笠勢に割り込んだのが南富良野からの大光明・内田組が足の故障後のために大きなツーリング用のキャンパー艇で2本目不通過無しの6ペナで3位。女子ペアは1回目沈脱だったが2本目2艇とも、めでたくゴール。20tの水量でOCはシングル、ペアとも沈脱や不通過が多く苦戦模様だった。

 
 

2日目(6/19)フリー&ダウンリバー(コンバインド)

 フリースタイルはK1男子が25名のエントリー。女子は19名のエントリー。昨年カヤックのジャッジ採点を改善して、バラエティーポイントと回転数のテクニックポイントの掛け算としたが、回転がないといくらバラエティポイントがあってもポイント0となってしまうので回転がなくても基礎点1を加えることにした。オープンのカナディアンでは従来通りバラエティと印象点(1~15点)との足し算とした。

 

 K1男子では予想通り世界選手権代表の玉地選手(うきうき)が1位でジャッジが追いつかないほどのバラエティと回転で高得点。2位には1位以上に回転数を伸ばした奥村選手(旭医)が588点。3位には久保選手(帯畜)も2本目では得点を380点と伸ばす。7位だったが千葉選手(旭川)が高いエアーを飛んでポイントにはならなかったが大拍手で特別賞も。
 K1女子では高久選手が世界の技を見せて、男子を上回る851点で1位。次から次と技を替え角度のある回転を見せた。2位は同じく世界選手権に出る佐藤(未)選手(うきうき)で224点。昨年300点を越えた藤原選手(三笠)はケガの影響が残ったか?それでも3位入賞。
 

 OC1では木内選手(三笠)がエンダーを見せて高得点で1位。2位に瀬の中でロールを決めた高木選手(ガンネルズ)。3位は三笠佐藤(雅)選手が昨年程に決めきらず。
 OC2はなかなか技を出せずに沈脱する組が続出だが、寺門・長谷川組(帯畜)が2本目フロントサーフィンを決めて12ポイントで1位、2位には東京からの常連、諸墨・幸重組(朝ビー)が2点差。3位には廣井・村上組(三笠・栃木)。
 

  
 

2日目(6/19)ダウンリバー

  ダウンリバーは国体予選ワイルド選手の予選後にスタート。競技艇男子K1はエントリー13名、女子7名。ポリK1男子11名、女子11名、OC1は11名、OC2も11組、ビギナーK1男子25名、女子15名合計104名!というゼッケン100以上作ってなかったのでビギナーは三笠市から借用ゼッケン使用。

 
 競技艇男子K11位は神川(三笠)が最速の93.9秒、2位嶋田(北大)3位久保(帯畜)。女子競技艇は1位富沢(三笠)100.7秒、2位岡坂(帯畜)3位には高久がしっかり顔を出す。
 ポリK1男子の1位は玉地(うきうき)で103.6秒、 2位は長年参加いただいている横谷(ウィルダネス)、0.3秒差で3位奥村(旭医大)。女子は1位森山(帯畜)119.9秒、2.8秒差で2位奥田(旭医大)、0.9秒差で3位に吉本(三笠)。

 

 
 OC1は内田がこれまた長い艇で110.5秒の1位。0.5秒差で三笠の佐藤(雅)が2位、3位木村(ガンネルズ)。OC2は1位諸墨・幸重組(朝ビー)が110.7秒、2位には初出場の目黒・若狭組(えくぼや)、3位廣井・村上(三笠・栃木)と健闘。
 

 

 
 今回よりビギナーはスラローム使用のNo1,2,5をチャレンジしてもらうことにした。ゲートの接触ペナルティ2は同様だが不通過は10と少なくした。K1男子は1位金沢(北大)121.2ポイント。0.1ポイント差で2位袴田(旭医大)、3位横川(北大)。女子の1位大池(帯畜)は男子より早い116.8ポイント、2位越智(北大)、3位高木(帯畜)。4位の高橋(帯蓄)も0.4ポイント差。上位選手は皆ビギナーと思えないしっかりした漕ぎとゲートもミスなく通過していったが、一方30秒間隔のスタートにスプレー装着など手助けをしないと間にあわない選手もいた。
 




大会を通して*コンバインド

  2日間とおしての3種目によるコンバインド登録者での栄えあるキング・クイーンはK1男子キングが玉地選手。K1女子クイーンは高久選手。OC1キングは木内選手(三笠)。OC2キング・クイーンは諸墨・幸重組(朝ビー)と本州勢が活躍。基本ができている選手は種目を変えても結果を出せるということを見せてくれた。一方フリーの得点が高い選手がコンバインドではかなり有利になるという結果が出たようで、今後配点基準に改良が必要かも。
 

  
  新しい試みをいれたi-Cupだったが、レースを楽しめたという感想をたくさんもらった。競技そのもの、周囲の応援や懇親も含めて2日間中身の濃い大会であったが、これは参加選手、スタッフ、協賛・協力者の総合的なお蔭の結果である。現在反省点も洗い出して、今後の改良をスタッフで積み上げている。これからもより大会運営の向上を目指しているが、選手も基本練習を積み、レースでさらに力をつけることを期待している。この幾春別川の恵まれたスポットを十分利用して腕を磨いて欲しい。今シーズンこれからもスラやフリーのレースが予定されているので是非参加を期待している。

※ なお、リザルトは次のサイトを参照のこと