印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

MIKASA Canoe Club updated 2023-07-05

第22回幾春別カップレポート(Text by 高篠和憲)


 小雨でスタート。私が還暦過ぎてからどうも晴れるジンクスが落ちてきてという声があるが、たぶん毎年夏至あたりが天気良く、今年の第3週がそこから離れてきているからだろう。選手には雨も影響は無し。水量も13.5t/前後と適量。また今年は透明度が過去にない位良い。開会式ではビギナーコースがゲート1~7と上流に設定、コンバインドのスラロームが1日目の記録を使い、2日目はフリースタイルから開始となる等、変更点の説明があった。

1日目(6/14)カヤックシングル(午前中)

カヤック競技艇男子は昨年より5名多い25名ものエントリーで前半の5選手は国体予選を兼ねてのレース。やはり北大CCの大家が昨年よりパワーアップして唯一100秒を切る97.06秒でノーペナ。2本とも昨年の2秒差より4秒以上の差をつけ優勝。矢田は2本ともスラローム全選手唯一の2本ともノーペナ!と完璧な漕ぎはさすが。

3位は嶋田(北大CC)で、続く5位までの選手も僅差。今年もダウンゲートが左右に振ってある所が3箇所もありテクニカル、また縦ゲートの7番では多くの選手がポールタッチを余儀なくされてしまった。

女子競技艇では昨年より7名多い12名のエントリー。カナダ帰りの三笠CCの藤原ダントツの漕ぎで2本目はノーペナ。2位の笠原(北大CC)はレース2年目で腕を上げ2本目はノーペナ。3位には菅原(北大CC)。国体予選にも多くの女子選手がエントリーして熱い戦いになり見答えがあった。


カナディアン競技艇は3名で今年は成立。北水の村上が力強い漕ぎで競技艇カヤックに入れても6位の位置。2位は森川(北水CC)。丸山(旭川CC)は毎年最高齢でCCにエントリーして楽しんでいる。

ポリ男子カヤックの部は16名で7名の増、昨年に続いて優勝は岩崎(旭川医大)、2位には高2の廣井(三笠CC)で5.8秒差。3位は矢口(旭川医大)で3人とも2本目はノーペナ。ポリ女子は12名のエントリーだったが3名が欠場。優勝は橋本(釧路ラピッヅ)、2位能瀬(帯畜)。
3位鮎沢(酪農) は2本目で不通過なしの6ペナ。以降は皆ダウンゲートに苦労した。

 OC1軽量艇は昨年同様8名で、今年も南富良野の内田が佐藤(三笠CC)打倒を宣言。しかし佐藤がミス少なく優勝。その2人の間に同じ南富良野の山口が割り込んで2位。内田が3位で0.1秒差で木村(ガンネルズ)が追い上げ4位。OCにとってもなかなかの難コースでノー
ペナが出なかった。


 OC1ポリ艇も昨年同様5名。結果は昨年に続いて安定感とパワーのある須美(三笠CC)が優勝。2位に久しぶりの高木(ガンネルズ)、3位に猪爪(三笠CC )。OC乗りが増えて欲しいので三笠CCでは特に若い人にOCを貸したい。

 今年のビギナースタートを一般と同様の場所からスタート、ゴールをi-cup上の7番ゲートまでとしたので応援もMCもしやすく大いに盛り上がった。男子は4名増の14名のエントリー。優勝は山口(北水CC)。2位は最年少、中2の笠原(どんころ野外学校)でこの2人は7番の縦ゲートをクリアしてノーペナ。3位は勝見(酪農) 。

  

 女子ビギナーは7名で優勝は奥田(旭川医大)で7番縦ゲートを1人のみクリアしてノーペナ。2位諸山(酪農)、3位辻村(旭川医大)。女子は皆記録を残して立派だった。

1日目(6/14)カナディアンペア(午後)

 CC2は北大から1艇のみ。オリンピック種目でもあり、北海道には集めれば5艇はあるそうなので是非揃って競技できれば嬉しい。


  

 OC軽量部門は村上(北水)・高篠組(三笠)がペア最速だったが2艇で不成立。男子ポリ艇部門は男子組と男女MIXを同じカテゴリーにしたので昨年より3艇増え、8艇のエントリー。佐藤・藤原 (三笠)組が1本目不通過があったが2本目修正して優勝。木村(ガンネルズ)・神川(三笠)組がペナで負けて2位。3位は高2の廣井と組んだ須美(三笠)組。諸墨・幸重組(朝ビー)は4位。MIXなら2位。毎年関東から連続出場で絶滅危惧種のOCを楽しんでくれている。

  

 女子ぺアが3艇で成立。優勝はヤマシタ・大畑(北大CC)2位は正路・藤田(帯畜)3位は岡坂・富沢(帯畜)。長い艇を2名の女子力で回すのはハードだが、ペナの差が順位となった。

1日目(6/14)表彰式&ウェルカムパーティ

 予定通り18時から開始。3位までの表彰と特別賞。4位以下にも抽選で全員に景品(各スポンサーや参加者などからの協賛品)。そして恒例となったオークションではドライスーツとパドルが出て高額で落とされ震災のための基金に。ジャンケン大会でまた雨が降りそうなので早めに切り上げる。水道企業団から特別に解放された芝生上の各テントでは各クラブ同志の交流会となった。

  

2日目(6/15)フリー&ダウンリバー(コンバインド)

 2日目はフリースタイルを今年は30秒2本とした。その前後では国体予選のプラクティスと予選が男女1名ずつスタート。昼12時からダウンリバーがスタートし、例年より1時間ほど繰り上げることが出来た。
  
 カヤック男子は28人のエントリーで遠藤が次々に技を連続させ、1本目82点、2本目62点、計144点と稼ぎ優勝。2位は佐藤(帯畜)で計104点、3位に江戸(ガンネルズ)。上位はさすがに縦と横の連続回転で点を稼ぐ。それぞれレベルが上がっているのでかなりの人が高得点のループを狙うが、崩れて落とされて、点を殆んど稼げないのは勿体無い。ジャッジの井上氏が言うには、色々なサーフィンや横回転でバラエティに富んだ技を見せてから最後にループを挑戦するなどした方が技術点も印象点も多く稼げるという。

 また唯一男子CCで福士(酪農)がエントリーし、堂々の計64点でカヤック部門に入れると3位という高得点を出し、特別賞が出た。女子は藤原(三笠)1本目不本意な成績だったが、2本目高いループと捻りながらのゴジラ?などを決め計73点を出し、これも男子カヤックに入れても3位の成績だ。2位は橋本(釧路ラピッヅ)で52点、3位は富沢(帯畜)が51点と迫った

 カナディアンシングルでは4人のエントリーと寂しい。サーフィンからホールの中でロールを決めた内田が39点2本目24点系63点とオープン艇ではダントツのポイントで優勝。2位はここのところ連勝していた佐藤(三笠)、久しぶりの参加の高木(ガンネルズ)はロールも決め3位。カナディアンペアは4組の出場。優勝は須美・廣井(三笠CC)組はサイドサーフィンとバックサーフィンを決め1本目24点、計で36点。2位は村上(北水)・高篠(三笠)組、3位は菅原・森川(北大)組。

2日目(6/15)ダウンリバー

 今年のダウンリバーは競技艇もOKとしたのでエントリーが増えた。
競技艇男子は6艇、女子は4艇のエントリーで男子1位は神川(三笠)で最速の132秒、2位は嶋田(北大)、3位に伴丈(北大)。女子は1位藤原(三笠)で140秒、2位は岡坂(帯畜)、3位は太田(北大)。



 ポリ男子は12人で1位岩崎(旭川医大)、2位松井(旭川CC)、3位は吉田(北大)。ポリ女子は15名のエントリーで12名出場、1位は富沢(帯畜)、2位橋本(釧路)、3位(帯畜)。1名沈しながらのゴール通過あり、残念ながらDNFとしたが、通過後ロール頑張って起き上がったの
で参考タイムとして記録を表示してある。

 OC1は内田優勝で146秒、2位は佐藤(三笠)がわずか約1秒差。3位は五嶋。OC2は村上・高篠組が139秒と2位の諸墨・幸重(あさB) 組を引き離す。3位は廣井・須美(三笠)組。

  
 ビギナーは男子が24名のエントリー、うち3名がゴールできず残念。1位は何と中学2年の笠原(どんころ)が見事! 2位は山口(北水)、3位が山本(北大)。女子は12名がエントリー。森山(帯畜)が優勝、2位は椿(北大)、3位は藤森(帯畜)。1名がゴール寸前の1段目の瀬で沈、涙を流したが、その悔しい気持ちを次回には笑顔になるよう練習を重ねて欲しい。

2日目(6/15)コンバインド

 今回土曜にスラロームも出て、日曜のフリースタイルとダウンリバーも出た人は、艇を替えてもコンバンド登録となり、その中での1位をキングとクイーンとしてイエローTシャツを進呈した。まずカヤック男子キングは加藤(帯畜)、カヤック女子クイーンの藤原(三笠)は男子含むコンバインド登録者の中でも最高点だった。OC1キングは内田が常勝の佐藤(三笠)を破り、OC2キングは村上(北水)・高篠(三笠)が僅差でゲットした。

  

 今年はコンバインドの成績が分りやすいように、点数のつけ方の考えは変えずに修正した。今までは各種目の一番早い人とどれ位離れているかという比率でより少ない点数順に順位を決めたが、今回、一番早い人を100点満点にして、自分の秒数またはポイントを早い人との割合(%)を点数とした。どちらにしても以前の結果のとおり、スラロームとダウンリバーで勝っていても、フリースタイルで抜群の成績を上げた人が、コンバインドのトップを飾ることが多いが種目毎に少しでも差をつける事がコンバインドで勝つための要素となる。

i-Cup全体について

 今年は冬に発電所の送水管修理のために発電が行なわれなかった。そこで湖の水位が高く春先の減水時に現れる湖底のヘドロが露出しなかったため、最近にないほど水が澄んで気持ちが良かった。また雨が少なく発電量も絞り気味の13.5tの流量だったが、昨年補修した2段目のi-cupの瀬など周辺がメリハリのある流れた。コースは今年もダウンゲートをテクニカルにして6と7の縦ゲート、11~12と14~17の振ったダウンゲートがテクニカルだった。皆各々の力に合わせていかにペナを食らわないか艇の向きを早めにあわせるか、メラノターンで確実に超えるかというそれぞれの工夫が見られ、なかなか見ごたえのある中味の濃いコースだった。

 今年も準備やエントリー集計が早くから進められたお陰で、カテゴリー分けや出艇順や時刻も前もって公表できた。さらに2日目のスラロームを廃止して1日目の記録をコンバインドでの記録と兼ねることにして日曜の時間的余裕ができたのでフリースタイルを2本にする事が出来、選手にも一発勝負でなく余裕が出来楽しめたのではないか。勿論運営上も繰り上がり、表彰までの集計もじっくりチェックが出来た。

  

 またビギナーのレスキュー対策に毎年頭が痛かったが、セルフレスキューがうまくなったこと、今回からビギナースラロームコースを前半に移動したことで改善され、また応援も場所が良くて盛り上がった。さらに2年前から1週前には学生さんへのジャッジミーティング指導を行なっているので本番でのミスも無く、確実に出来たと言えるのでは。そしてチャリティーオークションで頂いた北日本大震災への義援金は「北海道~東北こども笑顔プロジェクト」というイベント用に募金した。またトイレ基金12,111円と、瀬の修復基金39,000円(カヤックのチャリティ等)も集まりその維持経費に宛てる予定。

 今大会は両日とも小雨が降ったり止んだりではあったが、昨年より増えたエントリーを順調にこなせた。結びに多くの方々の協力、協賛と、また選手の絶大なる協力のお陰で、賑やかに大会が出来たことを感謝して報告とさせていただく。

  


※ なお、リザルトは次のサイトを参照のこと